意外にも紅茶ミュージアムには日本人観光客が多い

紅茶ミュージアムで働いていて、気が付いた事がある。


そう。日本人観光客が多いのだ。


一日、最低でも必ず3組は日本人がやってくる。


一日紅茶レッスンというのも週に一度やっているが、
それはほぼ100%が日本人だ。


たまに、団体アメリカ人の予約が入るぐらいだ。


レッスンは2:00に始まり、ブラマーさんの紅茶文化と歴史のレクチャーを
聞き、ミュージアムを見て周り、紅茶の製造工程のビデオを見て、
その後、紅茶のテイスティングもさせてもらう。


全てのお勉強が終わったら、終了証をもらい、最後はみんなで
アフタヌーンティーをティールームで楽しむ。


すごく盛りだくさんな内容だ。


これは、旅行代理店を通すか、ガイドブックから直接予約すれば誰でも受講できる。


ここで、レクチャーに毎回付き添い、日本語通訳として同席する事になった。


何度も同じレクチャーを受けるのは、予想以上に為になった。


それこそ、ブラマーさんの言っている事全てが聞き取る事が出来るようになった。


ちょっとしたイギリスジョークですら分かるようになっていった。


いつも、「あ、そろそろあのジョークを言うぞ~!」と、思いながら聞いていた。


私は、この頃、英語がペラペラ話せた訳ではないが、ブラマーレクチャーだけは
自信がある!!

それにしても、こうしてみると、日本人がいかに探究心が旺盛で、勉強熱心であるかが
よく分かる。


これほど、異国の文化を学び、知識を深めようという意気込みは、
他の国民には見る事ができないのではないかと思う。

続きを読む

お客様との、たくさんの素敵な出会い

このミュージアムで働いていた事によって、
予想外の良いチャンスを得る事が出来た。


それは、色々なお客様との出会いだ。


様々な外国の方とも色々と話す機会もあり、様々な情報を聞く事がでしたし、
ここで出会う日本人も面白い方がたくさんいた。


その時の、ほんの一瞬のご縁で、今でも親しくさせてもらっている人がたくさんいる。


しかも、ちょっと変わった経歴や、仕事の方が多く、
OLをしてたら会えていないタイプの人達だな~と、よく思う。


例えば、お花とテーブルコーディネートを仕事にしている人で、
イギリスにお花の勉強に来ていた人。現在、オランダ在住。とか・・・。


ニュージーランドでワーキングホリデーで働いてたけど、
期間が終わったので、日本に帰る前に、各国を放浪している方。
そして、未だに何のお仕事をしているか分からないが、
滋賀で仙人のように暮らしている人。とか・・・。


関西では結構有名な、紅茶専門店をやっている店主の方で、
フランスの紅茶商のところに行ったついでに、イギリスに立ち寄られた。
一緒に旅をしているのは中国茶専門家で中国人。とか・・・。


世の中には、色々な仕事をしている人がいるものだ~と、考えさせられた。


それが原因だろうか、
今では、周りの人がやった事ない事をやるのに、何の躊躇いもない。

続きを読む

ミュージアム内のディスプレーに日本語訳を付ける

ブラマーミュージアムでは、自から動かないと何も始まらない。

決まりも、紅茶を学ぶ為のカリキュラムなど何も無いからだ。


自分がぼんやりしていると、一日がぼんやりと過ぎていく。。


これではいけない!何かしなければ!


ミュージアムにお客様がいないときなどは、非常に暇なので、
とにかくミュージアムの展示物をひとつひとつ丁寧に見ていく。


説明書きの英語を読みながら、ふと・・・
「あ!ここに日本語訳を貼ったら喜ぶかな~?」


しかも、すごく勉強になるぞ!!


日本からパソコンを持って来ていたので、それに打ち込んでいって、
最後プリントアウトすればいいだろう!


う~~ん。いっぱいあるけど、時間もいっぱいあることだし!
頑張るぞ~~!!


それからは、頼まれてもいないのに、たくさん日本語訳を勝手に貼り付けて
いった。


何も言ってこないということは、喜んでいると思っていいだろう。。。


そうして頑張っていたら、レクチャーで使う紙芝居式になっているパネルの
日本語訳版を作ってくれと頼まれ、日本語のパネルを新しく作った。


それが、今でもレクチャーの時には使われている。


ただ、今ブラマーミュージアムで働いていて、私とも交流のある女性が
「直子さん!あのパネルの日本語訳、間違ってるところありますよ~!」


「・・・・。(^^; ごめんなさい。。」

続きを読む

スタッフ・ポールおススメのグリーンティーの飲み方

ミュージアムのティールームで、ポールとおしゃべりをしていた。


ポールは、このミュージアムで一番長く働いている、30代後半ぐらいの
男性だ。ロンドン訛りの英語が非常に聞き取りにくいが、
とてもフレンドリーな良い人だ。


そんなポールが
「なおこ、日本は緑茶を飲むんだよね!僕は、美味しい緑茶の飲み方
知ってるよ!」


「え~~!イギリス人が、緑茶?!」


以前、ホストファミリーに緑茶を入れた時の、散々な結果を思い出した。


でも、勇気を出して聞いてみた。「どうやって飲むの?」


「まず、アイスグリーンティーを作るんだ。砂糖で甘味を付けてね!
 そして、レモンを少し絞ると、美味しくなるんだよ~!」


「え~~~!!??」かなり怪しい味になりそうだ・・・。


絶対、イギリス人の味覚はおかしいと、この時確信した。。


しかし、その後、スーパーで買い物しているときに、
まさに、グリーンアイスレモンティーなるものが缶で売られているのを発見した。。


今となっては、あの時の記憶には自信が持てないが、本当に存在したように
記憶している。。

続きを読む

秘書アニエス VS ブラマーさん

ブラマーさんは、イギリス人の中でも相当頑固親父だと思われる。

そして、そのブラマーさんの秘書をやっているのが、フランス人のアニエス。


フランス人は意思表示がハッキリしていて、プライドも高い。


この二人はいつも戦っている。


まず、アニエスの名前自体に問題がある。


フランス読みでは「アニエス」。 でも、英語読みでは「アグネス」となる。


ブラマーさんは、決してフランス読みをしない。


常に「アグネス」と、呼ぶ。


アニエスはアニエスで、呼ばれた後に、「だから私の名前はアグネスじゃないのよ!」
と、思いっきり顔に出し、気持ちを表現する。。


平和主義の日本人である私は、最初の頃はハラハラしていた。


しかし、当人同士は文句はありつつも、仕事自体に支障はないようだ。
それが分かってからは、何も気にせず、トバッチリが来たらヘラヘラする事にした。


そうしたら、アニエスに
「ナオコは笑ってばっかりで良い子ちゃんね。
 そりゃ、ブラマーさんのお気に入りにもなるわね!」
と、チクッとやられた。。


確かに、何を言われても、別に腹も立てずに、言われた事は
楽しくやっている私は、アニエスにしたら、意志の無い人に見えた事だろう。


でも、私の場合、紅茶の仕事に携わり、ブラマーさんの傍で働けるという事実が、
何よりも楽しかったのだ。


だから、ブラマーさんが資料の散乱したオフィスで、毎朝「ハサミがない・・。」
だの、「ノリがない・・・」だの言っているのを素直に聞いて、
一緒に探すのは何の苦にもならなかったのだ。


そのうち、ブラマーさんが失くしそうなハサミは、帰り際に自分で覚えておいて、
翌朝、「ハサミがない~。」と言い出したらすぐに出せるようになっていた程だった。


そんな中、アニエスは「呆れたわ~。」と、言わんばかりに肩をすくませて、
私達を置いてオフィスを出て、ポールのいるティールームに行ってしまうのだ。。


しかし、そんなアニエスは、とっても人情の厚い人で、本当に優しくしてもらった。


時々、「アイム アングリー!」と大きな声を出して、私を驚かせるのだが、
実は、フランス人はHの発音が苦手なので、実は
「アイム ハングリー!」と言っていたりするのも、だんだん慣れていった。


フランス人は冷たいという印象があったが、イギリスで友達になった
フランス人は、みんな陽気で温かい優しい人達ばかりだった。

続きを読む