ミュージアムで勉強したいとはいえ、どんなところなんだ??
そこで、お客さんとして一度行ってみることに。
学校の友達と一緒にロンドンブリッジ駅へ。
ガイドブックの地図を片手に、きょろきょろ。
ロンドン塔や、タワーブリッジが見えるテムズ川沿いのおしゃれな道を
抜けると、目的のミュージアムが見えてくる。
遂に、念願の紅茶ミュージアム到着。意外とこじんまり。
中に入ってみる。誰も受付にいない。
でも、すぐにニコニコしたおじさんがやって来る。学生一人3ポンド。
「ごゆっくりどうぞ!」といって、おじさんは忙しそうにまたどこかに行って
しまった。
なにやら、アットホームなミュージアムのよう。
ミュージアムは想像以上に面白かった。お茶の歴史が中国から始まり
色々な展示物と一緒に楽しめる。内容はなかなか詳しい。
日本のコーナーもあった。「○○園」とかかれたハッピまである。
館長ブラマー氏のコレクションであるティーポットもいったいいくつあるのか。
すごい数だ。
世界一大きいティーポットもあり、誰がこのティーポットで紅茶を飲むの?
しかも、取っ手が折れてる。そしてテープで修正してるだけ・・・。
おもしろいぞ、このミュージアム!
そして、ひときわ目を引いたのが、昔のイギリスの社会を風刺した
風刺画だ。紅茶を飲みながら、人々は色々な噂話や面白話しを
楽しんでいたので、よく紅茶を飲むシーンと一緒に描かれている。
紅茶がイギリスの生活に密着していることがよく分かる。
そして、最後はティールームでお茶が楽しめるようになっている。
私は確かアッサムティーを頼んだと思う。
ティーポットには、たっぷり3杯の紅茶が飲めるほど入っていた。
しかも、よく香りと味が出ている。
イギリスに来て以来、初めての紅茶の香りだ。
通常イギリスでは、ティーバックでも味は意外によく出ているが、
香りが出ているのは珍しい。と、いうか、初めてだ。
そして、ここの紅茶は有無を言わさず、ミルクティー。
実は、私はストレート派。 (当時はそうでした)
しかし、ここのミルクティーは日本で飲んでいたものと違う。
ミルクが違うようだ。スッキリとした味で、嫌な後味にならない。
私は、一気にこの紅茶が大好きになった。
やっぱり、ここで紅茶を勉強するんだ!!
ここ以外にはない!
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道場ヤブリ 「たのもう!!」
ひとまず家に帰り、一晩かけて、ブラマーさんに話す内容を考えた。
失敗するわけにはいかない。
よし!ミュージアムに行って、「働かしてください!」と、言うんだ!
イギリスにせっかく来たのに、紅茶の学校が無いからって帰れる訳がない!
「なおこガンバレ!!」 自分で自分を励ます。
いざ出陣!(心は武士・・・)
ロンドンブリッジ駅からミュージアムまでの15分の道のり。
ブラマーさんに伝えることを、ぶつぶつと独り言をいいながら、一人歩く。
「あ~、ミュージアムが近づいてきた~!おっと、スターバックス発見。」
なぜか、お茶を一杯。
「ふ~、助かった。」(正直な気持ち)
気がついたら2時間経過。
「だめだ、だめだ、行かなきゃ。」
覚悟を決めて、爆発しそうな心臓を押さえながら・・・
遂に、ミュージアムの入り口へ。
「え~い!行っちゃえ!!」 ミュージアムへ踏み込む。
この前もいたおじさんが、やはりやって来た。そしてこの前と同じように、
「こんにちわ。ミュージアム?それともティー?」
そこで、よしだなおこ道場ヤブリ、「スタート!!」
「たのもう!!」
私は、必死。
「ここで働かしてください!紅茶を勉強したいんです!」
・・・ついでに「お給料もいりません!」(あ、勢いで・・・)
おじさんは困った様子で、「ん~、ブラマーさんに聞いてみないと分から
ないけど、今ちょうどお昼ごはんで外出してるんだ。良かったら、帰って
来るまで待ってる?」
私:「はい!もちろん。」
おじさん:「じゃ、お茶いれてあげるからティールームにどうぞ。」
おじさん良い人だね!!
良かった。第一ハードルクリア!
おいしい紅茶を飲んで、ちょっとホッとしたところに、ブラマーさん登場。
180cmは軽く越えていると思われる、長身のいかにも英国紳士と
いった感じのおじ様が、私の目の前にやさしい笑顔と共に現れた。
ブラマーさんだ!!!!
私はその時、必死でブラマーさんに思いをぶつけた。
私が散々話した後で、ゆっくり、そして穏やかに私を落ち着かせるように
ブラマーさんは言った。
「Yes」
「そんなにも紅茶が好きでいるなんて、とっても嬉しいよ。
あなたの都合の良い時にいつでも働いて下さい。あなたの力になりま
しょう。」
そして最後に、「I’ll make you big.」
なんと、あなたをビックにしてあげましょう。とおっしゃったのです!
この言葉は、ブラマーさんはもう忘れているかもしれないけれど、
私には今でも勇気の湧き出る言葉となりました。
こうして、私はブラマーさんの周りを、土・日以外毎日うろちょろする事に
決まったのでした。
崖っぷちだった私は、ようやく本来の目的に一歩踏み込むことができた。
続きを読む
失敗するわけにはいかない。
よし!ミュージアムに行って、「働かしてください!」と、言うんだ!
イギリスにせっかく来たのに、紅茶の学校が無いからって帰れる訳がない!
「なおこガンバレ!!」 自分で自分を励ます。
いざ出陣!(心は武士・・・)
ロンドンブリッジ駅からミュージアムまでの15分の道のり。
ブラマーさんに伝えることを、ぶつぶつと独り言をいいながら、一人歩く。
「あ~、ミュージアムが近づいてきた~!おっと、スターバックス発見。」
なぜか、お茶を一杯。
「ふ~、助かった。」(正直な気持ち)
気がついたら2時間経過。
「だめだ、だめだ、行かなきゃ。」
覚悟を決めて、爆発しそうな心臓を押さえながら・・・
遂に、ミュージアムの入り口へ。
「え~い!行っちゃえ!!」 ミュージアムへ踏み込む。
この前もいたおじさんが、やはりやって来た。そしてこの前と同じように、
「こんにちわ。ミュージアム?それともティー?」
そこで、よしだなおこ道場ヤブリ、「スタート!!」
「たのもう!!」
私は、必死。
「ここで働かしてください!紅茶を勉強したいんです!」
・・・ついでに「お給料もいりません!」(あ、勢いで・・・)
おじさんは困った様子で、「ん~、ブラマーさんに聞いてみないと分から
ないけど、今ちょうどお昼ごはんで外出してるんだ。良かったら、帰って
来るまで待ってる?」
私:「はい!もちろん。」
おじさん:「じゃ、お茶いれてあげるからティールームにどうぞ。」
おじさん良い人だね!!
良かった。第一ハードルクリア!
おいしい紅茶を飲んで、ちょっとホッとしたところに、ブラマーさん登場。
180cmは軽く越えていると思われる、長身のいかにも英国紳士と
いった感じのおじ様が、私の目の前にやさしい笑顔と共に現れた。
ブラマーさんだ!!!!
私はその時、必死でブラマーさんに思いをぶつけた。
私が散々話した後で、ゆっくり、そして穏やかに私を落ち着かせるように
ブラマーさんは言った。
「Yes」
「そんなにも紅茶が好きでいるなんて、とっても嬉しいよ。
あなたの都合の良い時にいつでも働いて下さい。あなたの力になりま
しょう。」
そして最後に、「I’ll make you big.」
なんと、あなたをビックにしてあげましょう。とおっしゃったのです!
この言葉は、ブラマーさんはもう忘れているかもしれないけれど、
私には今でも勇気の湧き出る言葉となりました。
こうして、私はブラマーさんの周りを、土・日以外毎日うろちょろする事に
決まったのでした。
崖っぷちだった私は、ようやく本来の目的に一歩踏み込むことができた。
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ミュージアム初日・初仕事!
ついに、初仕事の日がやって来た。私は朝から緊張。
ミュージアムに行くのは語学学校が終わってからの午後2時~6時の
4時間。
ミュージアム館長のブラマーさんはちょっぴり厳しそう。年もかなり
はなれている。みた感じ60代は絶対いっている。
後で分かったことだが、この時ブラマーさんは70歳だった。
とにかく、オフィスに通された私。
秘書として働いているフランス人のアニエスがきさくな笑顔で迎えてく
れた。
オフィスの中は、お世辞でも美しいとは言えない。とにかくお茶関係
の資料であふれかえっていた。その中には日本語の日本茶に関する
本も含まれていた。
私は、まずオフィスの中央にある打ち合わせ用のテーブル席に座る
ように言われた。このテーブルの上も、なにやら紙でいっぱいである。
今日はいったい何をすればいいのだろう。不安な気持ちを隠せない。
英語も今まで語学学校の先生が話していたような英語とは少し違う。
とても、理解しずらい。しかも、ブラマーさんは例え話し好き。
何かを説明したり、冗談を言う時は、なんだか遠回りな表現が・・・。
ん~~。
で、いきなりの仕事の内容に戸惑うことに・・・。
なぜなら、その仕事内容というのが、ブラマーさんの研究の一部を
手伝うというもの。
内容は「ポットの作り方」
ポット?????
ブラマーさんは色々な質問を投げかけてくるが、「分かりません。全く」
と、言うしかない・・・。だって、陶器の作り方なんていままで小学校の
図工以来教わっていないんだもの・・・。
ブラマーさんの横で、ニコニコしてるしかない私。
秘書のアニエスも変な日本人が来たぞ。と、思ったに違いない。
全く使い物にならない私は、ミュージアム内にあるティールームへと連れて
行かれた。
ティールームではポールと言うイギリス人の男性が働いていた。彼は、私が
ミュージアムに来た時にいつも対応してくれた人だ。
そこで、私がティールームでしたこと・・・。
「無・・・」
唯一私がしたことといえば、お客様がミュージアムに入ってきたことを
ポールに知らせることだった。
「ポール、お客様です!」っと、言いたかったのですが、「お客様」が英語で
思いつかず・・・。
「ポール誰かが来たよ~!!」
ん~。我ながら頭が痛い・・・。
前途多難のような気もするが、とりあえずは、始まったのでした。
とにかく、遂に紅茶の本格的な勉強が始まったことに、
ヒシヒシと幸せを感じるナオコだった。
ブラマーさんはちょっぴり難しいけれど、がんばるぞ~!!!
続きを読む
ミュージアムに行くのは語学学校が終わってからの午後2時~6時の
4時間。
ミュージアム館長のブラマーさんはちょっぴり厳しそう。年もかなり
はなれている。みた感じ60代は絶対いっている。
後で分かったことだが、この時ブラマーさんは70歳だった。
とにかく、オフィスに通された私。
秘書として働いているフランス人のアニエスがきさくな笑顔で迎えてく
れた。
オフィスの中は、お世辞でも美しいとは言えない。とにかくお茶関係
の資料であふれかえっていた。その中には日本語の日本茶に関する
本も含まれていた。
私は、まずオフィスの中央にある打ち合わせ用のテーブル席に座る
ように言われた。このテーブルの上も、なにやら紙でいっぱいである。
今日はいったい何をすればいいのだろう。不安な気持ちを隠せない。
英語も今まで語学学校の先生が話していたような英語とは少し違う。
とても、理解しずらい。しかも、ブラマーさんは例え話し好き。
何かを説明したり、冗談を言う時は、なんだか遠回りな表現が・・・。
ん~~。
で、いきなりの仕事の内容に戸惑うことに・・・。
なぜなら、その仕事内容というのが、ブラマーさんの研究の一部を
手伝うというもの。
内容は「ポットの作り方」
ポット?????
ブラマーさんは色々な質問を投げかけてくるが、「分かりません。全く」
と、言うしかない・・・。だって、陶器の作り方なんていままで小学校の
図工以来教わっていないんだもの・・・。
ブラマーさんの横で、ニコニコしてるしかない私。
秘書のアニエスも変な日本人が来たぞ。と、思ったに違いない。
全く使い物にならない私は、ミュージアム内にあるティールームへと連れて
行かれた。
ティールームではポールと言うイギリス人の男性が働いていた。彼は、私が
ミュージアムに来た時にいつも対応してくれた人だ。
そこで、私がティールームでしたこと・・・。
「無・・・」
唯一私がしたことといえば、お客様がミュージアムに入ってきたことを
ポールに知らせることだった。
「ポール、お客様です!」っと、言いたかったのですが、「お客様」が英語で
思いつかず・・・。
「ポール誰かが来たよ~!!」
ん~。我ながら頭が痛い・・・。
前途多難のような気もするが、とりあえずは、始まったのでした。
とにかく、遂に紅茶の本格的な勉強が始まったことに、
ヒシヒシと幸せを感じるナオコだった。
ブラマーさんはちょっぴり難しいけれど、がんばるぞ~!!!
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ミュージアム2日目のテーマ
今日はお仕事2日目。昨日まったく英語が理解できなかったことに
めげていた私は、今日もまた英語に苦しむことに。
今日のテーマはこれ!!
「ティーバックについて」&「ティーオークションについて」
ん~。
またまた、難題。
ブラマーさんはティーオークションが始まった正確な年を探していた。
たくさんある資料の中から、英語のびっしり書いた紅茶の辞書を
取り出す。
そして、それは2冊で1つの紅茶事典。
そのページをめくる度に眩暈のする私・・・。
二人で手分けしてティーオークションについて調べる。
なかなかの苦難。でも、ちょっと研究者っぽくてそれなりに楽しむ。
結果的に、英語の文がチンプンカンプン。ブラマーさんがすべて
自分で一人でしたに等しい状態だった。
英語を今まで勉強してきたつもりだったが、まったく役に立っていない。
これは、また英語を一からやりなおさなければ・・・。
英語びっしりの本から開放され、私は息抜きを兼ねてティールームへ・・・。
そこで、紅茶の作り方をポールから教わる。
なんという幸せ。ブラマーポットでブラマーティーを入れられる。
しかも、お味は最高!
あ~イギリスへ来て良かった~と、思う瞬間。
そうこうしながら、またブラマーさんのいるオフィスへ。
英語の辞書と格闘しながら4時間・・・。
しかし、ティーオークションの開始された年号を調べるなんて
なんとも楽しい。私までもが、紅茶博士になったような気分になるのだった。
続きを読む
めげていた私は、今日もまた英語に苦しむことに。
今日のテーマはこれ!!
「ティーバックについて」&「ティーオークションについて」
ん~。
またまた、難題。
ブラマーさんはティーオークションが始まった正確な年を探していた。
たくさんある資料の中から、英語のびっしり書いた紅茶の辞書を
取り出す。
そして、それは2冊で1つの紅茶事典。
そのページをめくる度に眩暈のする私・・・。
二人で手分けしてティーオークションについて調べる。
なかなかの苦難。でも、ちょっと研究者っぽくてそれなりに楽しむ。
結果的に、英語の文がチンプンカンプン。ブラマーさんがすべて
自分で一人でしたに等しい状態だった。
英語を今まで勉強してきたつもりだったが、まったく役に立っていない。
これは、また英語を一からやりなおさなければ・・・。
英語びっしりの本から開放され、私は息抜きを兼ねてティールームへ・・・。
そこで、紅茶の作り方をポールから教わる。
なんという幸せ。ブラマーポットでブラマーティーを入れられる。
しかも、お味は最高!
あ~イギリスへ来て良かった~と、思う瞬間。
そうこうしながら、またブラマーさんのいるオフィスへ。
英語の辞書と格闘しながら4時間・・・。
しかし、ティーオークションの開始された年号を調べるなんて
なんとも楽しい。私までもが、紅茶博士になったような気分になるのだった。
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本物紅茶への道は遠い・・・
ブラマーミュージアムで働き始めて、1週間。
大分、スタッフ達とも慣れてきた。
そして、毎日3時になると、ブラマーさんはティータイムをする。
ちょっと、仕事の手を止めてゆっくりするのだ。
この辺りが、いかにもイギリス人らしい。
その紅茶を淹れる任務を任せられた!
(まー、他のスタッフに良いようにおだてられているに過ぎないが・・・。)
ブラマーさんは、通常アッサムティーを飲む。
フレーバーティーなどを淹れた日には、全く口も付けてくれない。。
事務所に入った瞬間。「何をいったい淹れてきたのだ?」と、聞かれ、
「・・・キーマン・・・。飲んでみたくて・・・。」
「じゃ、ナオコはキーマンを飲みなさい。私はアッサムを入れてくるから。」
と、いった調子だ。
商品として販売してるのに~~。
紅茶本来の素晴らしい味があるのに、アールグレイや、アップルなど
紅茶以外のフレーバーで、紅茶本来の味や香りを消してしまっているものは、
「クズ」だと思っているのだ。紅茶と認めていないのだ。
そして、もう一つ、別の大きな壁があった。
私の紅茶には、ブラマーさんの求める味が出せていないのだ。
だからと言って、ブラマーさんは、率直に「美味しくないね。」とは言わない。
「ここを、こう直せば良くなるよ。」なんてことも言わない。
ただ、一言、一口飲んだ後、笑顔でこう言う。
「 It is easy to make a bad cap of tea, NAOKO 」
(美味しくない紅茶を作るのは簡単だね。なおこ」
「・・・・・・」
なんと遠まわしな~~。
最初聞いたときは、褒められてるのかと思って、思わず微笑み返すところだった。。
このフレーズを聞かなくなるのは、大分経ってからだった。
でも、このお陰で、「どうしたらブラマーさんと同じ味がでるんだ。。」
と、毎日試行錯誤する事ができ、最終的に、美味しい紅茶が淹れられるように
なったのだった。
それは、大きな自信にも繋がった。
教えてもらうばかりではなく、自ら学ぶという姿勢を
ここで教わったように思う。
続きを読む
大分、スタッフ達とも慣れてきた。
そして、毎日3時になると、ブラマーさんはティータイムをする。
ちょっと、仕事の手を止めてゆっくりするのだ。
この辺りが、いかにもイギリス人らしい。
その紅茶を淹れる任務を任せられた!
(まー、他のスタッフに良いようにおだてられているに過ぎないが・・・。)
ブラマーさんは、通常アッサムティーを飲む。
フレーバーティーなどを淹れた日には、全く口も付けてくれない。。
事務所に入った瞬間。「何をいったい淹れてきたのだ?」と、聞かれ、
「・・・キーマン・・・。飲んでみたくて・・・。」
「じゃ、ナオコはキーマンを飲みなさい。私はアッサムを入れてくるから。」
と、いった調子だ。
商品として販売してるのに~~。
紅茶本来の素晴らしい味があるのに、アールグレイや、アップルなど
紅茶以外のフレーバーで、紅茶本来の味や香りを消してしまっているものは、
「クズ」だと思っているのだ。紅茶と認めていないのだ。
そして、もう一つ、別の大きな壁があった。
私の紅茶には、ブラマーさんの求める味が出せていないのだ。
だからと言って、ブラマーさんは、率直に「美味しくないね。」とは言わない。
「ここを、こう直せば良くなるよ。」なんてことも言わない。
ただ、一言、一口飲んだ後、笑顔でこう言う。
「 It is easy to make a bad cap of tea, NAOKO 」
(美味しくない紅茶を作るのは簡単だね。なおこ」
「・・・・・・」
なんと遠まわしな~~。
最初聞いたときは、褒められてるのかと思って、思わず微笑み返すところだった。。
このフレーズを聞かなくなるのは、大分経ってからだった。
でも、このお陰で、「どうしたらブラマーさんと同じ味がでるんだ。。」
と、毎日試行錯誤する事ができ、最終的に、美味しい紅茶が淹れられるように
なったのだった。
それは、大きな自信にも繋がった。
教えてもらうばかりではなく、自ら学ぶという姿勢を
ここで教わったように思う。
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