ブラマーミュージアムでは、自から動かないと何も始まらない。
決まりも、紅茶を学ぶ為のカリキュラムなど何も無いからだ。
自分がぼんやりしていると、一日がぼんやりと過ぎていく。。
これではいけない!何かしなければ!
ミュージアムにお客様がいないときなどは、非常に暇なので、
とにかくミュージアムの展示物をひとつひとつ丁寧に見ていく。
説明書きの英語を読みながら、ふと・・・
「あ!ここに日本語訳を貼ったら喜ぶかな~?」
しかも、すごく勉強になるぞ!!
日本からパソコンを持って来ていたので、それに打ち込んでいって、
最後プリントアウトすればいいだろう!
う~~ん。いっぱいあるけど、時間もいっぱいあることだし!
頑張るぞ~~!!
それからは、頼まれてもいないのに、たくさん日本語訳を勝手に貼り付けて
いった。
何も言ってこないということは、喜んでいると思っていいだろう。。。
そうして頑張っていたら、レクチャーで使う紙芝居式になっているパネルの
日本語訳版を作ってくれと頼まれ、日本語のパネルを新しく作った。
それが、今でもレクチャーの時には使われている。
ただ、今ブラマーミュージアムで働いていて、私とも交流のある女性が
「直子さん!あのパネルの日本語訳、間違ってるところありますよ~!」
「・・・・。(^^; ごめんなさい。。」
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スタッフ・ポールおススメのグリーンティーの飲み方
ミュージアムのティールームで、ポールとおしゃべりをしていた。
ポールは、このミュージアムで一番長く働いている、30代後半ぐらいの
男性だ。ロンドン訛りの英語が非常に聞き取りにくいが、
とてもフレンドリーな良い人だ。
そんなポールが
「なおこ、日本は緑茶を飲むんだよね!僕は、美味しい緑茶の飲み方
知ってるよ!」
「え~~!イギリス人が、緑茶?!」
以前、ホストファミリーに緑茶を入れた時の、散々な結果を思い出した。
でも、勇気を出して聞いてみた。「どうやって飲むの?」
「まず、アイスグリーンティーを作るんだ。砂糖で甘味を付けてね!
そして、レモンを少し絞ると、美味しくなるんだよ~!」
「え~~~!!??」かなり怪しい味になりそうだ・・・。
絶対、イギリス人の味覚はおかしいと、この時確信した。。
しかし、その後、スーパーで買い物しているときに、
まさに、グリーンアイスレモンティーなるものが缶で売られているのを発見した。。
今となっては、あの時の記憶には自信が持てないが、本当に存在したように
記憶している。。
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ポールは、このミュージアムで一番長く働いている、30代後半ぐらいの
男性だ。ロンドン訛りの英語が非常に聞き取りにくいが、
とてもフレンドリーな良い人だ。
そんなポールが
「なおこ、日本は緑茶を飲むんだよね!僕は、美味しい緑茶の飲み方
知ってるよ!」
「え~~!イギリス人が、緑茶?!」
以前、ホストファミリーに緑茶を入れた時の、散々な結果を思い出した。
でも、勇気を出して聞いてみた。「どうやって飲むの?」
「まず、アイスグリーンティーを作るんだ。砂糖で甘味を付けてね!
そして、レモンを少し絞ると、美味しくなるんだよ~!」
「え~~~!!??」かなり怪しい味になりそうだ・・・。
絶対、イギリス人の味覚はおかしいと、この時確信した。。
しかし、その後、スーパーで買い物しているときに、
まさに、グリーンアイスレモンティーなるものが缶で売られているのを発見した。。
今となっては、あの時の記憶には自信が持てないが、本当に存在したように
記憶している。。
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秘書アニエス VS ブラマーさん
ブラマーさんは、イギリス人の中でも相当頑固親父だと思われる。
そして、そのブラマーさんの秘書をやっているのが、フランス人のアニエス。
フランス人は意思表示がハッキリしていて、プライドも高い。
この二人はいつも戦っている。
まず、アニエスの名前自体に問題がある。
フランス読みでは「アニエス」。 でも、英語読みでは「アグネス」となる。
ブラマーさんは、決してフランス読みをしない。
常に「アグネス」と、呼ぶ。
アニエスはアニエスで、呼ばれた後に、「だから私の名前はアグネスじゃないのよ!」
と、思いっきり顔に出し、気持ちを表現する。。
平和主義の日本人である私は、最初の頃はハラハラしていた。
しかし、当人同士は文句はありつつも、仕事自体に支障はないようだ。
それが分かってからは、何も気にせず、トバッチリが来たらヘラヘラする事にした。
そうしたら、アニエスに
「ナオコは笑ってばっかりで良い子ちゃんね。
そりゃ、ブラマーさんのお気に入りにもなるわね!」
と、チクッとやられた。。
確かに、何を言われても、別に腹も立てずに、言われた事は
楽しくやっている私は、アニエスにしたら、意志の無い人に見えた事だろう。
でも、私の場合、紅茶の仕事に携わり、ブラマーさんの傍で働けるという事実が、
何よりも楽しかったのだ。
だから、ブラマーさんが資料の散乱したオフィスで、毎朝「ハサミがない・・。」
だの、「ノリがない・・・」だの言っているのを素直に聞いて、
一緒に探すのは何の苦にもならなかったのだ。
そのうち、ブラマーさんが失くしそうなハサミは、帰り際に自分で覚えておいて、
翌朝、「ハサミがない~。」と言い出したらすぐに出せるようになっていた程だった。
そんな中、アニエスは「呆れたわ~。」と、言わんばかりに肩をすくませて、
私達を置いてオフィスを出て、ポールのいるティールームに行ってしまうのだ。。
しかし、そんなアニエスは、とっても人情の厚い人で、本当に優しくしてもらった。
時々、「アイム アングリー!」と大きな声を出して、私を驚かせるのだが、
実は、フランス人はHの発音が苦手なので、実は
「アイム ハングリー!」と言っていたりするのも、だんだん慣れていった。
フランス人は冷たいという印象があったが、イギリスで友達になった
フランス人は、みんな陽気で温かい優しい人達ばかりだった。
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そして、そのブラマーさんの秘書をやっているのが、フランス人のアニエス。
フランス人は意思表示がハッキリしていて、プライドも高い。
この二人はいつも戦っている。
まず、アニエスの名前自体に問題がある。
フランス読みでは「アニエス」。 でも、英語読みでは「アグネス」となる。
ブラマーさんは、決してフランス読みをしない。
常に「アグネス」と、呼ぶ。
アニエスはアニエスで、呼ばれた後に、「だから私の名前はアグネスじゃないのよ!」
と、思いっきり顔に出し、気持ちを表現する。。
平和主義の日本人である私は、最初の頃はハラハラしていた。
しかし、当人同士は文句はありつつも、仕事自体に支障はないようだ。
それが分かってからは、何も気にせず、トバッチリが来たらヘラヘラする事にした。
そうしたら、アニエスに
「ナオコは笑ってばっかりで良い子ちゃんね。
そりゃ、ブラマーさんのお気に入りにもなるわね!」
と、チクッとやられた。。
確かに、何を言われても、別に腹も立てずに、言われた事は
楽しくやっている私は、アニエスにしたら、意志の無い人に見えた事だろう。
でも、私の場合、紅茶の仕事に携わり、ブラマーさんの傍で働けるという事実が、
何よりも楽しかったのだ。
だから、ブラマーさんが資料の散乱したオフィスで、毎朝「ハサミがない・・。」
だの、「ノリがない・・・」だの言っているのを素直に聞いて、
一緒に探すのは何の苦にもならなかったのだ。
そのうち、ブラマーさんが失くしそうなハサミは、帰り際に自分で覚えておいて、
翌朝、「ハサミがない~。」と言い出したらすぐに出せるようになっていた程だった。
そんな中、アニエスは「呆れたわ~。」と、言わんばかりに肩をすくませて、
私達を置いてオフィスを出て、ポールのいるティールームに行ってしまうのだ。。
しかし、そんなアニエスは、とっても人情の厚い人で、本当に優しくしてもらった。
時々、「アイム アングリー!」と大きな声を出して、私を驚かせるのだが、
実は、フランス人はHの発音が苦手なので、実は
「アイム ハングリー!」と言っていたりするのも、だんだん慣れていった。
フランス人は冷たいという印象があったが、イギリスで友達になった
フランス人は、みんな陽気で温かい優しい人達ばかりだった。
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別れの時
こんな楽しい充実した日々も、終わりを告げる日がやってきた。
人生の中で、これほど内容の充実した日々を過ごした時間はあっただろうか。
本当に、ここまで来れた事が、嘘のような幸運だったように思う。
もちろん、紅茶に関する知識はまだまだ足りないが、
ブラマー紅茶の味を自分で自信を持って出せるようになった事。
イギリス人と紅茶との関わりを肌で感じる事ができた事。
イギリス人のライフスタイルを学ぶことが出来た事。
イギリスを知って、逆に日本の良いところを学べた事。
貴重な、かけがえの無い物を得た。
そして、これから日本に帰って自分でやってみたい事への期待で一杯だった。
ブラマーさんとお別れするのはとても淋しいが、
それよりも、日本の多くの方に、本当の紅茶の美味しさを伝えていくぞ!
紅茶を広めて、ブラマーさんに喜んでもらうぞ!という気持ちの方が勝っていた。
日本帰国が近づいた頃、ブラマーさんお気に入りの雰囲気の良いレストランで
一緒に二人で食事をした。
港に面して建っているそのこじんまりとしたレストランは、一階が昔ながらの
パブになっている。
そして、その2階は、イギリス料理ではなく、フレンチだった。
アニエスといつも喧嘩しているが、フレンチは好きみたいだ。
その店の帰り道。5階建程の赤茶色のレンガのビルが立ち並ぶ、
暗い道を歩いてロンドンブリッジの駅を目指した。
そのエリアは、昔は紅茶が船で運び込まれ、テムズ川沿岸で下ろされた後、
倉庫に保管されていた、まさにその倉庫街だった。
「ここの倉庫は昔、紅茶と砂糖が保管されていたんだよ。」
などと話してくれながら、道をゆっくり歩いた。
ロンドンブリッジ駅の改札で、淋しくなるよ。と、ぎゅーっとハグをして別れた。
今でも、年に一度イギリス紅茶研修旅行でブラマーさんのところに行くが、
その別れ際にブラマー式ハグとほっぺチューをするのを見て、
生徒さんたちは引いている・・・。(^^;
まー。こんなに可愛がられるほどになるのも、光栄な事だ。
イギリスで紅茶を勉強したいと思って日本を発ち、その後どうなるかと思ったが、
結果的に、ブラマーさんと良い関係を築けた事は、大満足である。
ともかく、私の紅茶探求の旅はひとまず終わる事になる。
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人生の中で、これほど内容の充実した日々を過ごした時間はあっただろうか。
本当に、ここまで来れた事が、嘘のような幸運だったように思う。
もちろん、紅茶に関する知識はまだまだ足りないが、
ブラマー紅茶の味を自分で自信を持って出せるようになった事。
イギリス人と紅茶との関わりを肌で感じる事ができた事。
イギリス人のライフスタイルを学ぶことが出来た事。
イギリスを知って、逆に日本の良いところを学べた事。
貴重な、かけがえの無い物を得た。
そして、これから日本に帰って自分でやってみたい事への期待で一杯だった。
ブラマーさんとお別れするのはとても淋しいが、
それよりも、日本の多くの方に、本当の紅茶の美味しさを伝えていくぞ!
紅茶を広めて、ブラマーさんに喜んでもらうぞ!という気持ちの方が勝っていた。
日本帰国が近づいた頃、ブラマーさんお気に入りの雰囲気の良いレストランで
一緒に二人で食事をした。
港に面して建っているそのこじんまりとしたレストランは、一階が昔ながらの
パブになっている。
そして、その2階は、イギリス料理ではなく、フレンチだった。
アニエスといつも喧嘩しているが、フレンチは好きみたいだ。
その店の帰り道。5階建程の赤茶色のレンガのビルが立ち並ぶ、
暗い道を歩いてロンドンブリッジの駅を目指した。
そのエリアは、昔は紅茶が船で運び込まれ、テムズ川沿岸で下ろされた後、
倉庫に保管されていた、まさにその倉庫街だった。
「ここの倉庫は昔、紅茶と砂糖が保管されていたんだよ。」
などと話してくれながら、道をゆっくり歩いた。
ロンドンブリッジ駅の改札で、淋しくなるよ。と、ぎゅーっとハグをして別れた。
今でも、年に一度イギリス紅茶研修旅行でブラマーさんのところに行くが、
その別れ際にブラマー式ハグとほっぺチューをするのを見て、
生徒さんたちは引いている・・・。(^^;
まー。こんなに可愛がられるほどになるのも、光栄な事だ。
イギリスで紅茶を勉強したいと思って日本を発ち、その後どうなるかと思ったが、
結果的に、ブラマーさんと良い関係を築けた事は、大満足である。
ともかく、私の紅茶探求の旅はひとまず終わる事になる。
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日本帰国。全員日本人だ~!!
2001年1月31日。 10ヶ月ぶりに関空到着。
帰ってきてしまった~。それが、率直な感想。
そして、一歩空港の外に出た瞬間。うわっ!全員日本人!!
たった10ヶ月しか離れてないのに、こんな普通のことがとっても不思議。
ドーナツ屋さんに入った時なんかは、
「あら、今日は日本人観光客多いね。」って思った始末・・・。
何はともあれ、無事に帰って来れて何より。
イギリスのポートベローマーケット(アンティークマーケット)で手に入れた
ティーカップやお皿も割れずに持ち帰って来れたし。
まずは家に帰って、早速ブラマーさんの紅茶を飲むのが楽しみ。
日本のお水で淹れてもおいしいのだろうか。どうやったらおいしく淹れ
られるのか研究しなきゃ。
何を隠そう、この時淹れた紅茶は失敗したのだった・・・。
理由はちゃんと茶葉を計らずにあせって淹れてしまったから。
ポットもいつも使っているものではないので、どれくらいのお湯が入るか
ちゃんと確認しなかったのも原因の一つ。
とにもかくにも、久々の日本で食べる母の手料理は、この上ない幸せだった。
私はどうしても日本人なんだ。。
続きを読む
帰ってきてしまった~。それが、率直な感想。
そして、一歩空港の外に出た瞬間。うわっ!全員日本人!!
たった10ヶ月しか離れてないのに、こんな普通のことがとっても不思議。
ドーナツ屋さんに入った時なんかは、
「あら、今日は日本人観光客多いね。」って思った始末・・・。
何はともあれ、無事に帰って来れて何より。
イギリスのポートベローマーケット(アンティークマーケット)で手に入れた
ティーカップやお皿も割れずに持ち帰って来れたし。
まずは家に帰って、早速ブラマーさんの紅茶を飲むのが楽しみ。
日本のお水で淹れてもおいしいのだろうか。どうやったらおいしく淹れ
られるのか研究しなきゃ。
何を隠そう、この時淹れた紅茶は失敗したのだった・・・。
理由はちゃんと茶葉を計らずにあせって淹れてしまったから。
ポットもいつも使っているものではないので、どれくらいのお湯が入るか
ちゃんと確認しなかったのも原因の一つ。
とにもかくにも、久々の日本で食べる母の手料理は、この上ない幸せだった。
私はどうしても日本人なんだ。。
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